私は若い時は皮膚にはたまにブツブツが1つできる程度で至って健やかなものでした。
しかし年齢を重ねるにつれ、病も起こし、薬も内服するようになってきました。
そこへ家庭内に一大トラブルが発生し、家族の絆さえ脆く崩れ去ってしまうほどの苦悩の日々が続きました。
ちょうどその頃、他の仕事や学問も同時進行でしていたので、もうもうにっちもさっちも行かないほどの辛さとなってしまいました。
まずは指のトラブルから始まりました。
爪の周囲の皮膚が水による荒れで炎症を起こしてしまっていました。
それがどんどん悪化し、ステロイド剤を塗ってもますます悪くなっていくのです。
皮膚が深くえぐれ、真皮まで見えてしまうような赤くヒリヒリした状態となり、まるで因幡の白うさぎのようでした。
指先がほんのちょっと物に触れただけでも、飛び上がるほど痛く、切ないほどでした。
洗い物は全て手袋を用いて行っていました。
ステロイド剤をつけると、よけいにジュクジュクして、傷がうずき、朝にはガーゼが血で染まるほどでした。
それから今度はあまりのストレス状態にお顔や首にもブツブツが出てきました。
赤っぽいので、まるでアトピー性皮膚炎のようでした。
しかし幸い、痒みなどは全くありませんでした。
見かけがひどいので周囲からは「お前、それはアトピーだよ。医者に行ってるの?」とからかわれる始末。
もちろん行っておりましたが、当時はステロイド剤以外薬がなかったのです。
それからプロトピック軟膏が開発され、つけることができるようになりました。
みるみるお肌が改善して、ブツブツが治っていきました。
しかもステロイド剤の副作用で小じわだらけのお顔になり、随分と落ち込んでいたのですが、半年か1年は掛かったかもしれませんが、それも改善されてきたのです。
お肌が蘇ってきたのでした。
それはそれはうれしい出来事で、このプロトピック軟膏が誕生してくれて本当に有り難いな、と思った次第です。