わたしが観光で九州南部の川辺に近い神社に行った時のこと、暑い季節だったので半袖Tシャツに膝丈のパンツという装いで境内から外れて横を流れる川辺を散策していると小さな黒い虫に右脚のふくらはぎを刺されました。
蚊のようにいつの間にか刺されていたというものではなく、チクリと結構痛かったのですぐに気が付きました。
その後も黒い虫はしつこくつきまとうのでそこを離れて次の目的地へ移動しました。
その日の夜からこの黒い虫に刺された場所が痒くなり赤く腫れ始めました。
時間を追うごとに増す痒みにたまらずドラッグストアで痒み止めを買って塗ってはみたものの、ほとんど効果はなくホテルで氷を貰って冷やす始末。
旅行から戻った日には虫刺されの痒みと腫れは一層酷くなり、夜も眠れず怖くなりとうとう翌日に皮膚科で受診しました。
医師によると黒い虫はブヨという虫に間違いないとのこと、そのブヨに刺されたのではなく、ブヨに咬まれた皮膚炎という診断でした。
その時点で咬まれた場所は小さな点のように窪んで潰瘍化し、そこを中心に500円玉サイズの赤黒く固い盛り上がりができ、更には手のひらほどの範囲が赤くなっていました、痒みは強烈で触ると痛く、潰瘍化した部分からは液が滲み出している状態。
処方されたのは他の部位には決して使わぬようにと繰り返し念を押された上でのマイアロン軟膏と錠剤の飲み薬の2種類です。
医師からの指示通り患部をぬるま湯で優しく洗った後でさっそくマイアロン軟膏を塗りました。
期待していたスーッとする清涼感などは一切なく、マイアロン軟膏は本当に効果はあるのだろうかというのが正直な感想でした。
ところが驚いたことに翌日にはあれだけ強烈だった痒みは蚊に刺された程度に落ち着き、4日ほどで固い盛り上がりも随分と治まり赤みも引き始め、10日ほどで赤黒い変色と押した時の軽い痛みを残すだけとなりました。
こうして激しい虫刺されの痒みとうっかり触ってしまう痛みのせいで眠れない夜から解放されました。
(福岡県:ペンネーム ”とき”さん)